212

昔はお姫様になりたくて、その次は皆の正義のヒーローになりたくて、いつかは舞台で活躍する人間になりたくて、ベストセラー作家になりたくて、お顔が可愛い女の子になりたくて、歌う声も話す声もきれいな人になりたくて、好きな人の恋人に選ばれたくて、でも強くて気高い存在になりたかった。でもなれてない。理想は空より高くて、周りに比較対象がいればいるほど乖離に苦しんでる。でもそれでいいよ、私は。

 

この一年で

私の言葉が時をこえてその人が苦しかったときの支えになったって聞いた。

私のころころ変わる表情を見ていたいって言われた。

私のものの見方でもっと広い世界が知れたって喜んでもらえた。

私といると気を張らないでいられるんだ、って笑ってもらえた。

私が離れた場所で頑張ってることを知って、応援してるんだって伝えてもらった。

 

私も今日からまた

誰かの言葉に救われて、

誰かの表情に笑って泣いて、

誰かが分けてくれた知識で世界を知って、

誰かの傍で沈黙を楽しんで、

誰か遠くで頑張ってる人にこれからも念を送る。

そうやって、自分自身が心から納得できるまで歩き続ける。