Meine Liebling③

今回は私が好きなとあるYouTubeチャンネルについて書いてみる。

…と言いつつ突然説教じみたことを書くことになるのが申し訳ないが、

 

外出自粛が求められている今、私達は試されている気がする。


以前書いたように出不精でダラダラが苦ではない私だが、突如現れた「休暇」に喜んで長期間ダラダラに時間を割いた結果、勝手に深い重い自己嫌悪に陥いってしまうことにようやく気付いて焦り始めている。
試されている気がする、とはどういうことか。

ふとぼーっと過ごしている中で、この自粛期間中自分が自分の「本質」を無意識的か意識的にか自身にも他人にも発信してしまっている、ということに気付いたのだ。書いてみて非常に当たり前のことを書いた気がして恥ずかしいが。

 

ここで私が意味する本質とは、真っ新になってしまった時に自分を取り戻すために何を求めていくのかという、自分の構成要素みたいなものだ。

例えば、自粛中家族や友達に会いたい人はたくさんいるだろう。もし幸か不幸か「恋人」みたいな相手が人生で存在している人達は今まさに苦しみと愛しさが鬩ぎ合う渦の真っ只中にいるだろう。そういう人達は言うまでもない。でも、遠い昔縁が切れてしまった昔の同級生に急に手紙を出したくなったり、ずっと仲良くしていたつもりだった人間に「会いたいね」と連絡をもらった時に不思議と自分はそんな風に思えなかったり、はたまたこの期間中に別れてしまう恋人たちもいるんじゃないだろうか。

時間が傷を癒すように、時間は人を分かつのだと今更気付いて、人間は少しずつアクションを取っていく。

 

例えば、空き時間心行くまでゲームして、実況を見て、映画を見て、読書して、自分がしたいことを突き詰めてみた後、幸せの波にのまれて日常に戻りたくなくなる人もいれば、急に全てに飽きてぼーっと壁紙の色を見つめて「そういえば厳密に言えばこの壁の色は何色なのか」なんてどうでもいいことを考え始めたりする人もいる。それまで全く興味がなかったことに手を出してみる人もいる。義務と時間に縛られていた人生で急に空白ができた時に何を続けるか、何を始めるか。それは時に予想外で、同時にずっと前から知っていたことでもある。

 

前置きが長くなってしまった。今回紹介するのはこちら。

www.youtube.com

個人的な環境の影響で「自己啓発」というジャンルに大いなる嫌悪感を抱いていた私だが、これは中国系アメリカ人の女性起業家が運営する所謂「自己啓発」系チャンネルだ。

英語のチャンネルをあまり見ない人もいるだろうし、今やネタ化したアメリカ人のあの独特のノリに先入観を持つ人も多いだろう。それでもやはり「これを自分のお気に入りとして紹介したい」と思いきれるだけのエネルギーを感じ取れたのでこの記事まるまる使って書いてみる。

 

1.基本情報

・チャンネル名:"Lavendaire"(ラベンダーを意味する"Lavender"をもじったもの)

・運営者:Aileen(アイリーン)

チャンネルと同名の企画の起業家であり、コンテンツクリエーター、そしてartist of life「人生・生活の芸術家」である。

このartist of lifeというのは企画のテーマである

"Life is an Art. Make your masterpiece."

「人生は芸術。自分自身の最高傑作にして。」

から来ている。

自らの大学在籍中、就職活動中に感じたプレッシャー、社会から決められた枠にはめられる違和感をヒントに念願の音楽活動を開始。1stアルバムのリリース、ロサンゼルスとニューヨークでのパフォーマンスを叶える。その後ロサンゼルス最大のアジアンフードフェスティバルの代表者として数多くの番組からのインタビューを受ける。

この経験から、自らが達成した「好きなことをして生きていくこと」の可能性の拡大についてより多くの人々と共有できる方法を探った結果今に至る。
動画作成の他にはpodcastの運営、Lavendaireから発行される「Artist of Lifeワークブック」とスケジュール帳の制作も行っている。

Lavendaireの公式ホームページはこちら

www.lavendaire.com

  ・チャンネルが主に取り扱う内容

人間個人としての成長、ライフスタイルデザインを主に取り扱った、視聴者が理想とする人生を作るための知恵やひらめきを運営者アイリーン自らの経験を元に紹介する。

 

2.洗練されたデザイン

パソコンで上のリンク先に飛んだ人はこの人が提供する、YouTuberらしからぬシンプルで品があるデザインに驚かされるだろう。しかし「商業的」という程厚かましさがない、視覚・聴覚をくすぐる小洒落た動画のBGMや登場する室内のデザイン、提案する商品やその提示の仕方も統一感があり、こだわりが感じられる。サムネイルの雰囲気に誘われて視聴を始めたファンも多いのではないだろうか。

 

3.論理的かつ簡潔でわかりやすい動画

例としてこちらの動画を上げてみる。 

www.youtube.com

「あなたの人生を変える10のシンプルな生活習慣」と題されたこちらの動画。

動画の頭で「何故生活習慣に注目すべきか」という問いに対し「『何を日常的に繰り返すか』がその人を作るから」と答えるように、アイリーンは習慣にまつわる動画をよく投稿する。これはその中でも簡単で達成しやすいものがまとめられたものだ。

実はこちらのコメント欄には既に10項目のタイトルがまとめられている。コメントさえ見れば一分もかからないが、動画自体はイントロ+10の習慣を提示するのに10分の動画であり、すなわち、一項目1分弱の解説がつく。

しかし、アイリーンの解説はムダや苦しい言い訳や理由付けがない。本や実体験に基づき論理的に展開され、テンポよく終わる。解説を聞くことで紹介された習慣の本質、目的を理解することができるのでむしろモチベーションアップに繋がっているように感じる。また、視聴者自ら、自分の生活スタイルと照らし合わせて取捨選択、更に他の動画を見てそこに追加できる。そこがまた沼だったりするが、視聴の際は全編通しての観賞を強くお勧めする。

 

4.英語はネックか

個人的な感想としてアイリーンの英語は教材に使われるような所謂「標準語」的である。というのは、理解しにくいスラングや訛りが少なく、ウケを狙うようなタメもない程よいスピード感なのでとにかく聞きやすい。更に、音声を別撮りしているものが多く、雑音が入らず聞こえにムラもないという点では言語云々以前に音声として聞きやすい。日本語の字幕が無いのが残念だが、語彙は高校受験、大一で受ける授業で使うようなレベルなので英語の字幕を目で追って視聴するとそこまで理解困難なことを言っているわけではないと気づくだろう。時間があれば何度か聞いてみるのも良い。リスニング練習にも使えるし、聞いていて気が散らないのでBGMにもできる。

これもまた個人的な意見だが、日本語ではクサいというか、受け入れきれない名言的言い回しは英語になると急に自然に入ってくる。これは英語のライフスタイル提案動画を視聴する大きなポイントである。日本語では伝わらないニュアンスが詰め込まれたアイリーンの言葉は彼女の母語である英語だからこそ煌めき、彼女の人間性をありのままに表してくれるのだ。

 

5.美しい言葉

読書家で勤勉なアイリーンが動画内に出す言葉は私の視界の中では見つけられない大きなひらめきをたくさんもたらしてくれる。幾つか紹介したい。

 

"All good things take time, it happens when it needs to happen."

私が至る所に書いている言葉、実はLavendaireからの引用である。「人生、山あり谷あり」なんてよくある言葉に突き放されたような気でいた私にこの考え方は目から鱗だった。自分が本当に欲しいものは自分の準備ができてから自ずと起こる、だからそれまで自分がやるべきことをやる。準備ができるまで辛抱強く待つ。そういう段取りを思い出させてくれると同時に他人と自分を比較させる意味を消してくれるのだ。

 

"The wound is where the light enters you."

「光はあなたの傷口から降り注ぐ」

これは厳密にはLavendaireから出た言葉ではなく、アイリーンが過去に体験した心理的トラウマを乗り越えるために読んだ本から抜粋紹介したジャラール・ウッディーン・ルーミーというペルシャ語文学史上最大の神秘主義詩人の名言である。名言や格言というものが残るのは誰も見たことが無い側面から物事を見つめ、端的に人の視界を広げる力があるからだろう、と感じさせてくれる言葉だ。

 

"Action dissolves fear."

「行動は恐怖を消す」

私は常に白黒つける行動が何よりも怖いからずっと怖いのが通り過ぎるのを待っていたけれど、実際生きるには行動しなくてはならない。自分に価値を見出せるように、行きやすくなるようにするには行動しなくてはならない、と背中を押してくれる言葉だ。

 

まとめ・こんな時だから見返したいチャンネル

上記に紹介した内容以外にも企業や就職、自己実現ジャーナリングなど、様々なテーマを扱って定期的に動画が投稿されるLavendaire。時には成功談だけではなく、アイリーン自身の人間的弱さやだらけをありのままに見せてくれることで、かえってなぜこのような行動、発信が求められるかを教えてくれる。海外、特に欧米には日本以上に「ありのままを愛する」というような愛情深さ、多様性を受け入れる強さを一人一人が求められ、それが理想化されているように見えるが、実際人間誰しも自分が自分であることを受け入れられないところから始まるもので、無理な自分らしさや約束事で自分を矯正して安心してしまうだろう。

しかし「自分を少しでも自分として受け入れられるように、自分を変えていく。」という目を背けられない矛盾に向き合って生きていくことで、自分を精神的にも物理的にも更に広げていくことができるのではないだろうか。

 

 

 

 

おまけ・Lavendaireのエクササイズに挑戦

と、いうことで最近投稿されたLavendaireの動画に登場したエクササイズの内容を勝手に訳して書いてみる。

以下から引用・翻訳(意訳)文。

 

www.youtube.com

 

〈自分にとっての「価値」を知るエクササイズ〉

まずは、以下の三点について自分なりに書き出してみよう。

1.自分の人生のテーマを決めるならどんなものにしたいか。何に重きを置きたいのか。
2.自分は何が好きなのか。何が大切なのか。
3.自分が支持しているものは何か。

上記の三点は自らの価値、情熱(やる気)、目的に直結する。

 

続いて、

4.自分にとっての「成功」の定義とは何か。
5.自分にとっての「幸せで満ち足りた人生」とはどんなものか。
6.上記の理想的な人生では私のエネルギー、時間はどんなところに注がれるか。
7.他人の目、自己満足などの誤った理由で何かをしたこと、し続けたことはあるか。
8.どんな心持であることが理想か。
9.今現在そうでないのであれば、いつそのように感じるか。

上記六点の答えは自分の理想や夢を具体化する。

 

理想や夢というものには常に自分の心持、感情が常に結びついており、それを自覚しない、または無視して気が乗らないものを無理矢理人生に取り入れ続けていると結局理想や夢からは遠のいてしまう。最後に楽したい、安心したいからというまだ見えない結末のために今を犠牲にする意味は自分にあるのか、今一度考えてみてほしい。

 

では結論、

今、自分にとって心地よい心持を育むにはどうすればいいか。

 

 

時間がたてば知識も増えてこの答えも変わるだろう。常に自分を振り返る時間を疎かにしなければ未来の自分も大切にできるだろう。

この期間を終えてまた人と向き合うのが楽しみになってきた。