近辺整理メモ①

さてさて、前回はかなり重めの滑り出しだったが、今回は徐々に整いつつある私の近辺を紹介してみる。

今の宿舎に関してまぁ簡潔に話すと、宿舎を探すに置いて私は一人部屋を申し込んだつもりが、空室がなかった関係で二人部屋=Doppelzimmer(響きが好きでドイツ語をまだうまく喋れないのにこの単語だけは使いまくってしまう)を与えられている。

オーストリア人であるルームメイトとの最初の印象は正直あまり良くなかった。何しろドイツ語圏の人間にしては珍しく、相手は英語があまり得意ではなく、私もドイツ語が上手く話せず、挑戦して口にした簡単な文章でも「…What?」と怪訝な表情をされていたのだ。What?じゃないよぉ~と思いながら一日目の夜は静寂の中で眠りについた。一つの小さな部屋で二人とも無言である。いや、きつかった。

それでも三日目あたりの夜、私が留学生向けの飲み会の帰りでほろ酔い状態だったのが良かったのか、お互いのことを長く話す機会があって「舞台」という共通の趣味や、家族との関係の話で意気投合し、どうにかこうにか仲良くなることができてここまできている。順調な滑り出しと言えるのではないだろうか!

ルームメイト:エフィー(彼女のニックネーム(?)パソコンのログイン画面にあったのを偶然見つけたのでここでは仮名として使わせてもらう。)は大のパンダ好きであり、身の回りの大体の物がパンダである🐼パンダのどこが好きなのか訊いてみると、「え…目と鼻と耳と色とダルそうな体勢と尻尾と笹を食べてる様子と…」と延々と続いたので、まあとにかくパンダへの愛が収まらないマンであることはわかっている。「じゃあエフィーはpanda holicsなんだね笑」と冗談で返すと「panda holics!?!?!?!?そんな素敵な言葉があるの!?!?!?」と大層気に入った模様で…(もちろん造語である)「FBの自己紹介文panda holicsにしないと!!💕」とわくわくしていた。昨日何気なく描いたパンダのイラストが予想以上にウケてしまい(笑)、「暇なとき描いて💛」とスケジュール帳ページを差し出された。「あなたに毎週描いてもらって、12月のページまでには数十匹のパンダが私のスケジュール帳に……😻」と夢を語っていたのには流石にめちゃめちゃ笑ってしまった。

 

私の周りの留学生友達(日本人の少なさは気が遠くなるレベル。大体はヨーロッパの周辺地域、例えば、スロバキアポーランド、フランス、イタリアなど)の中の美人組は揃いも揃って彼氏持ちである。日本人顔の方がヨーロッパでウケると聞いたが、バリバリのヨーロッパ人顔でも美人であれば男が寄ってくるのである。それはおいておくとして。

彼女らのすごいところは、ただひたすらに面倒見がいいところである。分厚い言語の壁の向こう側でついつい黙ってしまう私に「こっちだよ!」と声をかけて導いてくれたり、声を上げないことに対して適切に叱ってくれたり、自分が新しく知り合った色んな友達に紹介してくれたりもする。出会って数週間どころか数日の私に、これほどまでに良くしてくれる人間が現れるとは思ってもみなかった。

また、彼女らはいつも笑顔だ。時々街中のガラスに映る自分の顔が強張っていたり、口角が落ちていたりするのを見ると非常に失望する。異国の地で異国の人々に会う生活の中でも、朝昼晩常に、彼女らは、言ってしまえば非常に愛想がいい。これはとてつもなくすごい才能である。

関連して、彼女らの余裕にも目を見張るものがある。本当にどこから来るものなのかわからないが、皆まるで自分の地元にいるかのように堂々としている。果たして日本の地元でも私はこんなに堂々とできているだろうか…

まだまだこれからもすっげえと思わせてくれること間違いない美女達である。皆VOGUEのオファーとか来てもおかしくない。目の保養に囲まれていることは間違いない。

 

ドイツ語のクラスについて。10月に学期が始まるまでの二週間は平日の午前中いっぱいドイツ語クラスがある。二つあるレベルの内、難しい方を選んだのが今後吉と出るか凶と出るか…今のところは難しさに唸りながらクラスメイトに助けてもらって何とかついていっている。取り扱ってる内容に関しては復習レベル、しかし圧倒的語彙力の無さとリスニング力の無さに頭を抱えている。先生喋んのはっっっっっっっや!!!そして更に苦しいのは各国の訛りが入ったドイツ語である。簡単な文章でもそれぞれの訛りとスピードが絡むともう何を言っているのかわからない。何回も聞き直して皆に困った顔をされるけど、それは私のせいなのかぁぁぁぁ????ヨーロッパ語圏の言語が似ているからなのか、皆それなりにドイツ語話せてしまうのもびっくりする。みんな本当に私と同じクラスにいていいのか?いや、私はこのクラスにいていいのか?今のところテストでもギリギリ合格、提出物もとりあえずは出せているので放課後の復習を大事にして踏ん張ろう…笑

 

留学先の小さな町、ザルツブルクは本当に居心地がいい。大きな川が中心に流れていて、川沿いを歩いて大学と寮を行き来するのは非常に気持ちいい。観光名所なのもあって、常に色んな国から来る人がいるからなのか、私が一人で歩いていても不躾な視線を感じることはないし、治安も良い。寮近くの駅や橋ホームレスの人々がいるのは気になるが、今のところ彼ら絡みの大きな事件は起こっていないそうだ。(ホームレスの人々に関してはもう少し理解が深まってから別に記事を書こうと思う。)日本にはない種類の木々が綺麗で、これから季節の移り変わりを見ることができるのがとてつもなく楽しみだ。

 

来週学生証を手に入れてからはまた手続きをする日々が続くと思われる。噂には聞いていたが、学校も含めて、こっちの窓口やオフィス、機関はあんまり整っておらず、不親切さや杜撰さが来たばかりの私にもなんとなく伝わるレベルで顔を出している。約一年の滞在のためにも最初に彼らと戦って勝利を納めなくてはならない。頑張れ私!!

 

ということで、近辺整理の羅列をしてみた。この留学が終わったら、『魔女の宅急便』を観て泣けるようになるかもしれない…とぼんやり考える休日である。